抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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クエ,Epinephelus bruneus,は東南アジアで経済的に重要な集中養殖種である。飽くことのない要求にもかかわらず,水の品質,栄養素および疾患に関連した問題,特に飼育密度増加によって,大規模生産が妨害されている。魚において,先天性と適応の両免疫系が疾患防御を提供することが,一般的に受け入れられている。本報で,Streptococcus iniae曝露クエのcDNAライブラリーを構築し,発現遺伝子配列断片(EST)とRT-PCR戦略を用いて,異なる組織での遺伝子発現,生理的機能および分子機序を明らかにする遺伝子を同定した。検討した全部で2170のESTのうち279(12.9%)がコンティグとして,860(39.6%)がシングルトンとして同定され,全部で190の重要な免疫および酵素関連遺伝子(16.7%)が,両者に同定された。同定された重要な免疫分子は,先天性あるいは適応免疫系に関与の補体因子,ケモタキシン,ケモカイン,Fasリガンド,フェリチン,ヘプシジン,リゾチームc,MHCおよびTLCを含んだ。これらの遺伝子の間で,540bpの白血球由来ケモタキシン2(EbLECT2)の全長cDNAが同定され,17bpの5′-非翻訳領域(UTR),76bpの3′-UTRおよび3′-UTR中の終止コドンTAAからなった。EbLECT2は先天性免疫で重要な分子で,細胞増殖,分化および自己免疫に関連の多機能蛋白質であった。このORFは,それぞれ17kDaと9の予測分子量と等電点を持つ155アミノ酸(aa)残基をコードした。その密接系統発生関係は,既報のE. coioides(96%)とE. akaara(94%)のLECT2と最高の類似性を共有した。免疫防御系に含まれる大腸菌と病原細菌Vibrio anguillarumからのLPSに曝露後のE. bruneusで,EbLECT2のmRNA発現は,肝,脾と腎に顕著で,鰓,心と筋に中程度であった。さらに,組換え成熟EbLECT2は,大腸菌BL21(DE3)でうまく発現され,EbLECT2に対する抗血清が得られた。得られた有意な数のESTゲノム結果は,クエでの遺伝子発見,機能的ゲノム検索,分子機序および遺伝子発現検討のためのミクロアレイの開発を確立するさらなる研究に有力な資源を構成した。(翻訳著者抄録)