抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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脳の構造-機能相関相関を明らかにする上ででの課題を述べた。第一の課題として,脳の構造および脳を構成する細胞の莫大な多様性を指摘し,モデル動物として小さい神経系を持つ線虫でさえも300近くのニューロンを有し,そのいずれもが異なる形態および機能を持つことを述べた。この課題を克服するために特定の細胞を特異的に標識する分子マーカーを用いたイメージング技術の開発が進んでいる。第二の課題として,神経系の構造的結合性が機能に重要であり,その活性化が一過的で動的であることを指摘した。この課題を克服するために,低分子蛍光カルシウム指示薬やプロテオロドプシン関連プローブ,あるいは二光子顕微鏡を用いたイメージング技術の開発が進んでいる。第三の課題として,神経細胞体が非常に幅広く分布しているため,全体像を捉えることが困難なこと,そのため幅広い範囲を高解像度で解析するために磁気共鳴画像法が用いられている。第四の課題として,シナプスが非常に細い樹状突起棘により繋がるとともに高密度に圧縮されており,その詳細な構造を従来の光学顕微鏡で明らかにするのは困難なことを指摘した。近年開発された光学的超解像度技術がこの問題を解決しつつあるが,複数波長の検出あるいはサブ波長解像度の動的プロセスの検出が難しく,in vivoでのノイズが多いなどの課題も残している。第五の課題として脳構造の再構築が必要なことを指摘した。イメージングおよび解析スピードのさらなる高速化が急務である。