抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
独自の電荷補償系を有するKratos Ultra Axis装置を用いて100から45モル%SiO
2の組成範囲の6つのNa
2O-SiO
2ガラスの高分解能Na 1s,O 1sおよびSi 2p内殻準位XPSスペクトルを集めた。これらのガラスのO 1sスペクトルは良く分解され,制限または仮定に頼らず橋架け酸素(BO,Si-O-Si)および非橋架け酸素(NBO,Na-O-Si)信号を正確にフィットし,定量することができた。同じ試料を
29Si MAS NMRによって分析してQ化学種の存在比を求め,それからBOおよびNBOの比率を計算した。調べた組成範囲全体にわたり両方の方法によって同様なBO:NBO比を得た。それらは約65モル%を超えるSiO
2を含むガラスについてのほとんどの従来のXPSおよびNMR結果とも矛盾しなかった。しかし,本研究のXPSおよびNMR実験結果は約65モル%未満のSiO
2を含むガラスについての従来の公表XPSおよびNMR結果と異なっていた。NaはX線ビーム中で可動性であり,可動性が原因となってBO:NBO比は曝露時間とともに増加する。本研究では信頼できるガラスのBO:NBO比を得るためにNa可動性を回避した。比は,従来のXPS研究において報告されたものより低く,同じガラスについて我々の
29Si MAS NMR結果から得られた比と同様であった。XPSおよび
29Si MAS NMR結果は,ソーダガラス中の第3の酸素化学種の存在を示した。CaSiO
3ガラスおよびLaを含むソーダガラスおよびカリガラスについて提案されたように,ソーダガラス中にO
2-が小濃度で存在すると示唆した。O
2-含有率は増加したソーダ含有率と相関し,ガラス中の3次元パーコレーションチャネルと関連し,チャネルの成長に有用であった。BOピークのXPS O 1s線幅はNBOピークより広く,BOピークへの2つ以上の寄与を示した。結晶Naメタケイ酸塩およびNa二ケイ酸塩において観測されるように,Na-ケイ酸塩ガラスのBOは,2つのSi原子に橋架けしているBOから生じるものと2つのSi原子だけでなくNaにも結合しているBOから生じる第2のBO信号との2種類ある可能性があった。(翻訳著者抄録)