抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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森林樹は環境適応および複雑な形質の基礎を理解するための研究に有用である。樹木の種のゲノム資源は急速に発達しており,樹木の育種と自然個体群の管理に応用されている。本総説では,森林樹のゲノミクス研究の進歩について概説した。最初に,モデル系としての樹木について,森林樹の特性とモデル種を中心に解説した。次に,ゲノムシークエンシングプロジェクトについて紹介した。また,ゲノム資源に関して,EST,分子的遺伝子マーカーおよびトランスクリプトームプロファイリングに焦点を当てながら解説を加えた。さらに,複雑な特性の継承と分析について,メンデル形質と複雑な形質,QTLマッピング研究および関連研究を中心に解説した。また,応用としての森林樹の育種に関して,森林樹育種の目的および育種戦略としての直接アプローチと間接アプローチに分けて解説を加えた。さらに,応用としての天然個体群の管理について,適応性の遺伝的潜在能力の見積り,共同庭園実験と分子的集団遺伝学,関連遺伝学研究,気候の変化に焦点を当てながら解説した。最後に,森林樹のゲノミクス研究の将来の方向性について考察を加えた。