抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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材料の化学と物理における意欲をかきたてる目標の1つは,設計した構成ブロックを使って目的とする超格子構造を自発的に形成させることである。結晶工学や多孔質材料設計などの分野では,これには有機分子の構成ブロックが使われることが多く,金属イオンやクラスターが一緒に作用することもある。このような考えをナノ粒子やコロイドサイズの構成ブロックにも適用すれば,新しい材料と新しい特性へつながる可能性があるが,この目標を実現する経路はまだわかっていない。本論文では,コロイド球の表面を疎水性ドメインの簡単なパターンを施すことで,あらかじめ決められた複雑なコロイド結晶(今回はコロイドカゴメ格子)へ,コロイド球が自己集合するようすを示す。構成ブロックはマイクロメートルサイズの単純な球であり,その相互作用(中央部分では静電斥力,極部分では疎水性引力であり,これを「トリブロックヤヌス」と命名)も単純であるが,こうした球の開いたカゴメ構造への自己集合はこれまで知られている球の最密充填周期配置とは対照的である。この開いたネットワークは複数の理論的な理由により関心が寄せられている。機能性向上の可能性という点については,得られた格子構造には,細孔の縁が疎水性のものと親水性のものの2種類の細孔が含まれる。容易に作製できるこのコロイド構成ブロックを「収束」自己集合させるという戦略は,局在する引力スポットではなく,引力を生じる箇所が複数存在する大領域へと目的の超コロイド構造をコード化しており,この方法を拡張して他の超コロイドネットワークを形成することも可能である。Copyright Nature Publishing Group 2011