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J-GLOBAL ID：201102237081858748   整理番号：11A0287885

カイコの雌雄分別孵化の平衡致死理論の構築と実証

著者 (1件)： 大沼昭夫 (大日本蚕糸会 蚕技研)
資料名： 蚕糸・昆虫バイオテック  (Sanshi-Konchu Biotec)
巻： 79  号： 1  ページ： 13-20  発行年： 2010年04月 
JST資料番号： S0212A  ISSN： 1881-0551  CODEN： NISZAQ  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： カイコは雌より雄の方が強健で飼育しやすく,絹の生産効率も勝り,糸質も優れている。そこで,雌雄を孵化により容易に分別できるZ染色体の平衡致死理論を構築し,新しい雄カイコ品種プラチナボーイの開発に成功した。雄のみを孵化させるZ染色体の平衡致死の原理は,Z染色体上に2つの劣性致死遺伝子(リーサル)l1とl2を互い違いに持つ平衡致死の雄を作る。次にこの雄に普通の雌を交配すると雄はl1またはl2に対応する正常な遺伝子(+)を持つため孵化できるが,雌は正常遺伝子(+)を持たないため劣性致死遺伝子が作用して孵化できない。また,この系統を維持するため,致死遺伝子に対応する正常遺伝子(+)が座乗するZ染色体の一部を切り取り,W染色体につなげた転座染色体を持つ特殊な雌を作り,致死遺伝子を持つ雌が生存できこれら特殊な雄雌を交配することで平衡致死を維持できた。作出されたカイコに放射線照射し変異誘発した限性黒卵系統(雌は黒卵,雄は白卵)の雌を掛け合わせて,平衡致死系が確立されたことを確認した。さらに斑紋による雌雄の鑑別や実用カイコ品種(プラチナボーイ)の育成,雌の実の孵化による平衡致死理論の検証も行った。

シソーラス用語： カイコ ,  *育種 ,  *致死遺伝子 ,  *雄性 ,  雌性 ,  性染色体 ,  *伴性遺伝 ,  生糸 ,  転座 ,  変異誘発 ,  放射線照射 ,  致死率 ,  虫卵 ,  色 ,  突然変異体 ,  性鑑別 ,  孵化 ,  生産性 ,  遺伝子型 ,  収率 ,  *カイコガ
準シソーラス用語： W染色体 ,  Z染色体 ,  *平衡致死 ,  *劣性遺伝

分類 (1件)： 蚕  (FD04020M)

引用文献 (20件)：

• 長町美和子. 天の虫天の糸. 2007, 1-184
• 大沼昭夫. W・V転座染色体における転座部分のいれかえ. 日本蚕糸学会第42回講演要旨, 1971. 1971, 21
• 大沼昭夫. 雄蚕のみを得るための新しい平衡致死法第4報. 日本蚕糸学会第45回講演要旨, 1975. 1975, 58
• 大沼昭夫. Z染色体を用いたカイコの平衡致死系統の合成. 蚕研彙報. 1988, 36, 17-25
• 大沼昭夫. 蚕における新しい平衡致死系統の作成について. 日本蚕糸学会第70回講演要旨, 2000. 2000, 71

タイトルに関連する用語 (7件)： カイコ ,  雌雄 ,  分別 ,  孵化 ,  理論 ,  構築 ,  実証