抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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シカ科の小型草食獣キョンは外来生物法「特定外来生物」に指定され,千葉県では防除実施計画を策定し,生息状況モニタリングを行い防除効果を検証すると共に結果を防除に反映することを定めた。本報では,農家アンケート調査の生息情報から2010年時点での生息分布域を推定し,地域的生息密度構造の把握で,糞粒調査により全県個体数を推定した。大多喜町182~646(415),勝浦市663~2409(1539),御宿町278~985(638),富津市35~125(80),市原市0,鋸南町30~126(81),いすみ市655~2398(1529),南房総市0,県全体総個体数3872~14973(9441)と推定された(数字は頭数,カッコ内中央値)。これまでのキョン生息分布面積と比べると,近年,分布域拡大の可能性を指摘した。いすみ市周辺で新たな生息地が見られ,密度増加を確認した。更に2009年度推定値中央値は8567~8949頭であり,1年で1.05~1.10倍となった。