文献

J-GLOBAL ID：201102238237628434   整理番号：11A0884494

植物の異物代謝における配糖化とマロニル化

著者 (1件)： 田口悟朗 (信州大 繊維)
資料名： バイオサイエンスとインダストリー  (B & I)
巻： 69  号： 3  ページ： 215-217  発行年： 2011年05月01日 
JST資料番号： G0089A  ISSN： 0914-8981  CODEN： BIDSE6  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 植物体内における異物の配糖化・マロニル化と輸送蓄積の関係,特に異物配糖体の放出現象を発見した研究を紹介した。種々高等植物において投与したフェノール性異物の代謝においてグルコース配糖化されさらにグルコースの6位がマロニル化された。単離したマロニル化酵素(1)は種々フェノール性配糖体をマロニル化し,(1)の遺伝子破壊株はマロニル化せず,配糖体の大部分を細胞外に放出した。一方,高発現相補株はマロニル化するが分泌・放出は野生株以下であった。すなわちマロニル基の付加が細胞内蓄積に重要であり,マロニル化が起こらないと配糖体が細胞外に放出されることが示唆された。植物において,投与化合物の水溶性・安定性の向上と,遺伝子組換え酵素による活性制御と効率向上など,物質変換・物質生産への応用が期待されるが,本報告で変換物質の収穫単離の不要化の可能性を示した。

シソーラス用語： タバコ ,  イネ ,  ウマゴヤシ属 ,  *幼植物 ,  *異化 ,  グリコシル化 ,  遺伝子 ,  遺伝子破壊 ,  高速液体クロマトグラフィー ,  配糖体 ,  フェノール類 ,  芳香族縮合化合物 ,  シロイヌナズナ ,  シロイヌナズナ属 ,  Medicago truncatula ,  *生体異物代謝 ,  *グルコシル化
準シソーラス用語： Arabidopsis ,  AtPMaT1遺伝子 ,  HPLC分析 ,  NtMaT1遺伝子 ,  タルウマゴヤシ ,  *マロニル化 ,  *異物代謝 ,  *配糖化

分類 (1件)： 物質の代謝  (EH02050Q)

物質索引 (3件)： 2-ナフトール ,  2-ナフチル6-O-(カルボキシアセチル)-β-D-グルコピラノシド ,  2-ナフチルβ-D-グルコピラノシド

引用文献 (5件)：

• SANDERMANN, H. Jr. Molecular ecotoxicology of plants. Trens Plant Sci. 2004, 9, 406-413
• JONES, P. Glycosyltransferases in secondary plant metabolism : tranquilizers and stimulant controllers. Planta. 2001, 213, 164-174
• TAGUCHI, G. Molecular cloning, characterization, and downregulation of an acyltransferase that catalyzes the malonylation of flavonoid and naphthol glucosides in tobacco cells. Plant J. 2005, 42, 481-491
• TAGUCHI, G. Malonylation is a key reaction in the metabolism of xenobiotic phenolic glucosides in Arabidopsis and tobacco. Plant J. 2010, 63, 1031-1041
• MASADA, S. An efficient chemoenzymatic production of small molecule glucosides with in situ UDP-glucose recycling. FEBS Lett. 2007, 581, 2562-2566

タイトルに関連する用語 (3件)： 植物 ,  異物代謝 ,  配糖化