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J-GLOBAL ID：201102238442672500   整理番号：11A0128622

リンゴ紫紋羽病に対する液状複合肥料地表面灌注処理の発病抑制要因

Factors involved in disease suppression of violet root rot, caused by Helicobasidium mompa, with a fertilizer paste applied to soil surface around the base of apple trunks.

著者 (1件)： 浅利正義 (秋田県農林水産技術センター果樹試験場)
資料名： 日本植物病理学会報  (日本植物病理学会ニュース)
巻： 76  号： 4  ページ： 275-281 (J-STAGE)  発行年： 2010年 
JST資料番号： F0893A  ISSN： 0031-9473  CODEN： NSBGAM  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 液状複合肥料(TP)地表面灌注処理(S処理)のリンゴ紫紋羽病に対する発病抑制要因を,黒ボク土(壌土)を用いて調べた.最初に,ポットを用いて尿素(UR),リン酸,塩化カリウムをそれぞれS処理したところ,URのS処理土壌が強い菌糸伸長抑制作用を示した.次に,PDB培地を用いた培養試験では,URおよび硝酸塩のNaNO₃,KNO₃は10 mg/ml濃度で本病菌の生育を抑制しなかったが,炭酸アンモニウム(AC)および亜硝酸塩のNaNO₂,KNO₂はそれぞれ1 mg/mlおよび0.1 mg/ml濃度で生育を認めなかった.TP,URおよびACのS処理土壌は処理29日後まで強い菌糸伸長抑制作用を示し,土壌のNH₄-NおよびNO₂-N含量はそれぞれ生育抑制閾値のN含量を上回った.また,土壌微生物相は糸状菌数が減少し,細菌数,中でもアンモニア酸化細菌数が増加した.菌糸伸長抑制作用は処理62日後に低下したが,土壌のNH₄-NおよびNO₂-N含量も減少し,糸状菌数,細菌数は対照区と同程度となった.また,本病菌を接種したポット栽植のマルバカイドウに対して,URおよびACのS処理,亜硝酸塩の土壌混合処理はTPのS処理と同様に有意に発病を抑制したが,硝酸塩の土壌混合処理は発病を抑制しなかった.これらのことから,本処理の発病抑制要因として,URから生成されるAC,NO₂-Nの本病菌に対する殺菌作用の関与が示された.(著者抄録)

シソーラス用語： *リンゴ ,  *植物病害 ,  *複合肥料 ,  *施肥 ,  *病害防除 ,  黒ぼく土 ,  尿素肥料 ,  リン酸肥料 ,  塩化カリウム ,  炭酸アンモニウム ,  *窒素形態 ,  アンモニア態窒素 ,  ミクロフローラ ,  リンゴ属 ,  植物病原菌 ,  キクラゲ目 ,  液体肥料 ,  担子菌類
準シソーラス用語： Helicobasidium mompa ,  マルバカイドウ ,  亜硝酸態窒素 ,  *液状複合肥料 ,  *紫紋羽病 ,  土壌病害 ,  *土壌灌注 ,  *発病抑制

分類 (4件)： 果樹  (FC03042G) ,  菌類による植物病害  (FC04052Y) ,  施肥法・肥効  (FB05030Y) ,  栽培的防除  (FC05020Q)

引用文献 (10件)：

• 赤司和隆(1991).ホウレンソウ根腐れ病の発生機構と生態的防除法に関する土壌肥料学的研究.北海道立農試報 74: 1-100.
• 荒木隆男(1967).紫紋羽病,白紋羽病の発生と土壌条件.農技研報C(病理昆虫)21: 1-109.
• 浅利正義(2010).リンゴ紫紋羽病に対する液状複合肥料地表面灌注処理の発病抑制効果.日植病報 76: 85-91.
• 土壌微生物研究会編(1997).新編土壌微生物実験法.pp. 15-16,45-52,55-56,63-64,210-212,養賢堂,東京.
• Huber, D. M. and R. D. Watson (1974). Nitrogen form and plant disease. Ann. Rev. Phytopathol. 12: 139-165.

タイトルに関連する用語 (8件)： リンゴ ,  紫紋羽病 ,  液状 ,  複合肥料 ,  地表面 ,  灌注 ,  発病抑制 ,  要因