抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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灌漑用の水の確保のため,流域や河道にため池や堰が多く存在する新川・春日川の窒素・リン濃度とそれらの変動が調べられた。調査は河口堰によって形成された貯水域で行なわれた。水中の全窒素(TN)や全リン(TP)濃度は高く,最大でそれぞれ7.35mgL
-1,O.505mgL
-1であった。TNは灌漑域の春から秋にかけて比較的濃度が低く,この原因として,TN濃度が低い吉野川からの灌漑水による希釈効果が考えられた。また,TNやTPに占める有機態の割合が高かった。特に,水温の低い冬期に有機態が増加した。この時期は降水量と香川用水の供給量が少なく,河川水量は大きく減少するため,水の滞留時間の増加に伴う有機物生産の増大が考えられた。また,底質改善を目的としたため池のゆる抜きによる河川への有機物の流入も河川水中の有機物濃度増加の要因として考えられた。降水量が少なく,効果的な水利用が行なわれている地域では,自然的・人為的水文環境が河川水質に及ぼす影響が強く,これを意識した物質循環,生態系の研究を促進させる必要が指摘された。(著者抄録)