抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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イノベーションは,「ユーザに新しい価値を提供できたとき」におこるのであって,ユーザの潜在二一ズを満たすソリューションを提供できれば,必ずしも新しい技術がなくても実現できる。そして,そのイノベーションをおこすための「潜在ニーズを調査する手法」として行動観察が注目されている。この行動観察という手法が活用できるのは,商品開発だけではない。大阪ガス行動観察研究所では,「勘と経験」の要素が強かったサービスの現場においてもこの手法を活用し,サービスサイエンスに取り組んでいる。人間工学や心理学,エスノグラフィーなど,人間に関する知見をベースにしたこのアプローチにより,多くの成果が得られた。 本論文では,行動観察とはどういう手法なのか,実例を交えて解説を行う。また,実例として「商品開発」と「店舗での販売」での行動観察の応用について詳しく述べる。日本は米国に比べてサービス産業の生産性が低いと言われており,経済産業省でもサービス産業の生産性向上に取り組む動きがある。また,サービスについて科学的に取り組む動きが加速している。これに対し,行動観察手法により,製品開発やサービスの現場における潜在ニーズや潜在リスクを抽出し,ソリューションを提案することができる。行動観察手法をさらに進化させることで,様々な基礎研究や発明をイノベーションにつなげて「死の谷」を越え,さらに「ダーウィンの海」を越えて継続的なビジネスにつなげることに貢献できるのではないか,と考えている。