抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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肝臓X受容体(LXRs)は,転写因子の核受容体ファミリーに属する。LXRsは胆汁酸や脂肪酸合成などの脂質代謝作用に重要な役割を演じ,また哺乳類におけるコレステロール合成と取り込みの調節に僅かあるいは限定した作用をしている。しかし鳥類においては,脂肪酸合成の促進に関与する事実以外にLXRsの作用はほとんど分かっていない。そこで,LXRの合成アゴニストT0901317で処理したニワトリの初代肝細胞における胆汁酸,コレステロールと脂肪酸合成およびVLDLの分泌に関連する遺伝子の発現プロフィールについて調べる。培地に低濃度(0.01μM)のT0901317を加えることにより,胆汁酸合成の主要酵素であるニワトリのコレステロール7α-ヒドロキシラーゼ(CYP7A1)の活性が促進した。反対に,高濃度(10μM)のT0901317を加え培養した細胞中のステロール調節要素結合蛋白質(SREBP)-1,脂肪酸合成mRNAの発現およびVLDLトリアシルグリセロールのレベルは,T0901317がゼロあるいは低濃度で培養した場合よりも高かった。これらの結果は,当該LXRアゴニストに対する細胞応答が哺乳類のものと類似していることを示唆している。本研究の新発見は,T0901317で処理したニワトリの肝細胞におけるコレステロールの合成および取込の調節の変化に関係していた。SREBP-2,3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補酵素Aレダクターゼ(HMGR)および低密度リポ蛋白質受容体(LDLr)mRNA発現のレベルが,上昇するT0901317(1.0μMまで)の機能として上昇した。しかし,T0901317の濃度を10μMまで上昇させたときのレベルは,コントロール条件下で培養した細胞の場合に類似していた。以上の結果は,LXRsがニワトリの肝細胞におけるコレステロールの合成と取り込みに重要な作用を果たしていること,およびそれ自体は,コレステロールの合成に及ぼすLXRアゴニストの作用が細胞ステロールのホメオスタシスの調節において僅かな作用のみをする哺乳類の知見とは異なることを示唆している。Copyright 2011 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.