抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鉄鋼の表面硬化技術である窒化処理法は,耐摩耗性・疲労強度,耐食性・耐焼付性等を向上させ,今日では特に自動車産業で欠かせない技術となっている。しかし,現行の低圧下での直流放電を用いたプラズマ窒化法(イオン窒化法)では,真空容器中で処理を行なうため設備が高価であり,大気圧下での実現が望まれている。これに対し,著者らは,大気圧下で生成されるパルスアーク型(PA)プラズマジェットによる窒化処理を研究をしてきた。PAプラズマジェットを選択した理由は,第一に,窒化処理に必要なN原子が生成されること,第二に,DCアークなどと比較してプルームか低温であるため,金属表面の溶融により表面粗さを上げることがないと考えられるためである。今回,水素ガスを添加した大気圧窒素雰囲気中においてPAプラズマジェットを鉄鋼表面に照射することで,化合物層および拡散層の形成,さらにそれに伴う表面の硬化が可能であることを実証した。直径20mmの試料表面全体が硬化していたことから,本技術は少なくともエンジンバルブの軸端部や小型のポンチ金型に適用可能であると考えられ,また大型の金型に対しても局所的に硬化する処理が有効であると考えられる。この技術の実用性を調査するため,局所窒化の有効面積の調査とともに表面の粗度,耐摩耗性の調査を行う予定である。