抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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バージンパルプを使用する新紙を大量に利用すると森林資源を浸食し,環境に大きな負荷を与えるため問題となっている。そのため,古紙のリサイクルは,重要である。現在,古紙の回収と再生は新紙を使うよりかえってコストがかかり,再生古紙の利用率は上がりつつあるものの,頭打ちになっている現象も見られる。紙のリサイクルを円滑に拡大していくためには,国際商品化が定着しつつある日本の古紙の国際市場での位置付け,国内需要とのバランス等についての検討が不可欠になっている。しかしながら,その回収及び利用については,各国がおかれた社会経済的な背景や国内法規制等が複雑に絡み合っているというのが現状である。近年になって,古紙取引に係る国際市況が大きく変動しているが,その最大の要因は,中国における急速な経済成長に伴う古紙需要の拡大である。中国は世界最大の供給国である米国や欧州,更には日本から古紙を大量に受け入れている。古紙の国際市況の変動は,供給国側の国内市場における古紙の価格や品質にも影響を及ぼす。日本では,輸出向け古紙価格高騰の影響を受けて製紙原料向け古紙の入手が困難な局面も受けられている。このように古紙の回収→取引→利用の状況は,一国内の需給・市況等の域を超えて,国際的な需給バランスの中で相互に補完しあうかたちで拡大してきている。本論文では,古紙の主要取引国-中国の現状と今後の動向を把握しつつ,品質確保や安定供給実現を通じた将来的な古紙再生促進に向けた方策等の検討を行う。(著者抄録)