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J-GLOBAL ID:201102250478068278   整理番号:11A1271050

定量的なエピジェネティック記憶の基盤となる,ポリコームを使う切り替え

A Polycomb-based switch underlying quantitative epigenetic memory
著者 (4件):
資料名:
巻: 476  号: 7358  ページ: 105-108  発行年: 2011年08月04日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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保存されているポリコーム抑制複合体2(PRC2)は,ヒストン3リジン27のトリメチル化(H3K27me3)を行い,この修飾は遺伝子の安定なエピジェネティックサイレンシングにつながる。PRC2が誘導する遺伝子サイレンシングについては解明が進んでいるが,この複合体の核形成と安定性については重要な疑問がまだ解決されていない。植物が冬を認識し,記憶する春化現象は古典的なエピジェネティック過程で,シロイヌナズナ(Arabidopsis)では,PRC2を介した花成抑制遺伝子FLCのサイレンシングがかかわっている。低温下で数週間かけて起こる,春化のゆっくりした変化によって,その後の温かい期間にも安定なFLCサイレンシングが起こるが,そのレベルは先立つ低温期の長さに定量的に依存して決まる。春化はこのような特徴を持つことから,エピジェネティックな状態の維持とエピジェネティックな状態間の切り替えについて調べる理想的な実験系となる。今回我々は,数理モデル作製とクロマチン免疫沈降法,FLC:GUSレポーター遺伝子アッセイを使って,H3K27me3を介した温暖期のFLC遺伝子のサイレンシングは一部の細胞集団で起こり,この集団の細胞数は低温期の長さに応じて決まるために,それにより春化の定量性が生じることを明らかにした。低温期には,FLC内の厳密に位置の決まった核形成領域で,H3K27me3レベルが次第に上昇する。数値シミュレーションによれば,低温期の終わりにはこのような核形成領域が,1つの遺伝子座の双安定的なエピジェネティック状態を切り替えられるようになると予測され,抑制性のH3K27me3標識によってFLC全体が覆われる確率は,低温にさらされる期間に依存している。したがって,このモデルでは個々の細胞におけるFLC遺伝子発現が双安定なパターンをとると予測しており,我々はFLC:GUSレポーター系を用いてこの予測を裏付けた。ここで提案する切り替え機構には,逆方向の影響をもたらすヒストン修飾の局所的核形成がかかわっており,この機構はエピジェネティックな再プログラム化に幅広く関係していると考えられる。Copyright Nature Publishing Group 2011
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分類 (2件):
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遺伝子発現  ,  発生,成長,分化 
タイトルに関連する用語 (4件):
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