抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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著者らは,これまでに蝸牛遅延特性に基づいた知覚不可能な電子音響透かし法を提案してきた。この方法では,蝸牛遅延を模擬したIIR全域通過フィルタ(蝸牛遅延フィルタ)を利用することで,原信号に知覚不可能な透かしを埋め込み,またその埋め込みされた信号から透かしを頑健に検出することを実現した。本稿では,この方法による情報埋め込み限界を更に高めるために,蝸牛遅延フィルタの構成について検討した。基本型(原案)では,蝸牛遅延フィルタを利用して,1bitの情報に対応する二つの遅延特性を原信号に埋め込んでいた。ここでは,蝸牛遅延フィルタを複合型構成(並列型と縦続型)で設計することで,複数bitの情報に対応する遅延特性を原信号に埋め込む方法を考案した。基本型を含め複合型の情報埋め込み限界を調べるために,四つの客観評価試験(PEAQ,LSD,ビット検出率,耐性試験)を行った。その結果,基本型における埋め込み限界が64bps,最善のケースでの並列型ならびに縦続型における埋め込み限界がそれぞれ192bps,128bpsだったのに対し,最善のケースでの複合型構成における埋め込み限界は,256bpsであった。(著者抄録)