抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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最近の半導体微細構造作製技術の進歩により,電子の波動としての性質を利用できるような微細なポテンシャル構造を作製できるようになってきており,優れたエネルギーフィルタ性能をもつ変調超格子の作製も現実的になりつつある。変調超格子は通過域,阻止域の他に準通過域とよばれる鋭い共鳴準位からなる帯域を形成する点で一般的なフィルタとは異なる性質を有するため,変調超格子の設計には新たな設計手法を確立する必要がある。概念的なポテンシャルであるδ形ポテンシャルによると,通常2つのパラメータで表現されるポテンシャルバリアが1つのパラメータで表現できる。よって,δ形ポテンシャルを導入した変調超格子の利用により,本来の変調超格子の設計を簡単化できる可能性がある。本論文では,変調δ超格子において準通過域の形成に関係する内在バリア幅の定義を拡張し,内在バリア幅係数を導入することで,準通過域の幅を調整できることを示した。これにより,準通過域を考慮した変調超格子の設計手法確立に向けて,一歩前進したといえる。(著者抄録)