抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
日本国内での食肉目の食性に関して,その分析手法や専門用語が不統一であることから,比較研究に活用できない。これらを改善するために,国内に生息する食肉目を取り上げ,食性研究者を対象に,研究の目的,サンプルの種類,分析方法と参考文献についてアンケートを行った。この回答を元に本論文ではイヌ科,イタチ科とネコ科を取り上げ,食性研究の方法論とその課題についてまとめた。研究者によって焦点となる内容や研究背景が異なり,分析・評価方法が異なることが明らかになった。現段階では分類群が同じでも,1つの方法に統一することは適切でなく,複数の方法で分析・評価を行い,将来的な再検討を見据えた元データやサンプルの長期保存などが必要である。また,長期的な食性情報の蓄積が,種の現状把握と具体的保全計画の検討に重要である。近年,国内でもタヌキやキツネの糞DNAから個体識別や性判定の試みが行われ,これまでの食性分析だけでは得られなかった個体情報を付加することにより,性,年齢,繁殖・栄養状態と食性との関係など,種内,個体郡内での詳細な食性研究の可能性が広がると考えられる。