抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ジャガイモ疫病防除に散布した亜リン酸液肥が,そうか病の発生に及ぼす影響を明らかにするため,疫病防除にあわせた液肥散布後にジャガイモを掘り取り,塊茎のそうか病発生程度を調査した。製造元の異なる2種類の亜リン酸液肥を用い,3濃度(250,500および1000倍)で疫病の発病前から毎週合計4回散布(200L/10a/回)し,収穫時に塊茎のそうか病発生程度から発病度を求め,防除価を算出した。その結果,効果は低いもののそうか病の発生は低減して20程度の防除価を示し,この効果は液肥の種類や散布濃度には関係なかった。また,亜リン酸粉末肥料(日本医薬品開発研究所試作,亜リン酸液肥10または20%含)をジャガイモ植付時に250kg/10aの割合で植溝施用し,同様にそうか病の発病調査を行った。その結果,そうか病に対して30以上の防除価を示し,成分濃度の違いによる効果の差は明確ではなかった。これらのことから,疫病防除に亜リン酸肥料を散布することで,ジャガイモそうか病の発病も軽減できると考えられた。さらに,亜リン酸液肥を用いてジャガイモそうか病の種いも消毒(50~250倍)効果を調べた結果,両液肥とも対照のオキシテトラサイクリン・ストレプトマイシン水和剤(40倍)と同等の高い消毒効果を示した。以上のことから亜リン酸肥料の利用は,ジャガイモそうか病に対し,農薬に頼らない防除技術を開発する上で有効であると考えられた。(著者抄録)