抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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地殻の現応力場を知ることは重要であり,それは,プレート運動を駆動するメカニズムへの洞察を与える。本研究では,実情に即した岩石物質パラメーターを組み込んだ弾性板有限要素法を用いて,アナトリア地方のプレート間相互作用による応力場,変位場,及び変形を計算した。ユーラシアプレートを固定した状態でモデル計算したアフリカ-アラビア-アナトリアの各プレート間相互作用は,世界応力マップ(WSM)及び発震機構解の観測データとよい相関を示す。また,変位場は,GPSベクトル及び地殻内大地震(M>6)やプレート運動モデルから得られた運動の方向と定性的な一致を示す。モデリングの結果は,これらのプレートの絶対運動の方向に向いた最大水平圧縮応力(σ
Hmax)の方位を示す。σ
Hmax方位の大きな擾乱は,プレート同士のテクトニック境界内ないしはその周辺に見られる。この結果から以下の内容が観測された。すなわち,アラビアプレートからアナトリアプレートへ向かう衝突運動は主にアフリカプレートが伝達媒体としての役割を果たすのであるが,現状では,アナトリアの現応力場を説明するためには,ヘレニック沈み込みからの遠地作用応力を考慮する必要があろうということである。(翻訳著者抄録)