抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鉄欠乏のリスク増が肥満者において報告されている。肥満マウスにおける肝臓での鉄の状態およびアディポカインと炎症性マーカーの両方の血清中レベルを調査して,高脂肪食(HFD)誘発肥満が炎症関連性鉄貯蔵の減少に結びつくという仮説を検証した。4週齢C57BLマウスを,脂肪由来エネルギーを60%含むHFDで16週間飼養し,脂肪由来エネルギー10%の対照食によるマウスと比較した。HFD群は対照群と比較して,レプチンレベルで顕著に高く(対照群43.7ng/mL,n=16 vs HFD群104.3ng/mL,n=17;P<.001),高分子量アディポネクチン量は顕著に低かった(対照群4.80μg/mL,n=16 vs HFD群3.67μg/mL,n=18;P=.002)。HFD群の高血清アミロイドAレベル(対照群60.4μg/mL,n=17 vs HFD群117.9μg/mL,n=18;P<.001)は,HFD誘発性肥満動物における炎症を示唆していた。HFD群では肝臓の非ヘム鉄は少なかった(対照群3.12μg/mg蛋白質,n=17 vs HFD群0.869μg/mg蛋白質,n=16;P<.001)。ヘプシジンメッセンジャーRNA(mRNA)の発現は,HFDマウスでは対照レベルのわずか54%しかなかった(P=.016)。しかし,非ヘム鉄に対するヘプシジンmRNA発現の比率は,対照動物と比べてHFDでは2.5倍高かった。ヘプシジンは腸からの鉄吸収を制限する鉄代謝のホメオスタシス調節因子であり,炎症メディエーターとしても知られている。血清アミロイドAレベルの上昇および非ヘム鉄に対する肝臓のヘプシジンmRNA発現の高い比率は,肥満動物における低い肝臓鉄の状態が炎症に関係していることを示していると考えた。Copyright 2011 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.