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J-GLOBAL ID：201102258729467720   整理番号：11A1561403

サロマ湖の環境とホタテガイ養殖-時化による堆積物表層の有機物の上方輸送-

Oceanographic Environment and Scallop Cultivation in Saroma-ko Lagoon

著者 (5件)： 木戸和男 (北海道総合研究機構 地質研) ,  村田泰輔 (鳥取県埋蔵文化財セ) ,  白澤邦男 (北大 低温科研) ,  仁科健二 (北海道総合研究機構 地質研) ,  大澤賢人 (北海道総合研究機構 地質研)
資料名： 沿岸海洋研究  (Bulletin on Coastal Oceanography)
巻： 49  号： 1  ページ： 23-30  発行年： 2011年08月31日 
JST資料番号： L3747A  ISSN： 1342-2758  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 「時化の多い年はホタテガイの育ちがよい」というサロマ湖の漁業者の俚諺をもとに,ホタテガイの餌料補給機構のひとつとして粒状有機物の時化による海底あるいはその近傍からの再懸濁と上方輸送を考え,その実態を明らかにするために係留測器による連続観測と1日1回の船舶を用いた定点観測を行った。観測の結果,(1)時化によって乱流が発達するために水温・塩分の鉛直分布は一様になり,(2)懸濁物質量や粒状炭素,還元的環境で形成されると考えられる粒状硫黄,珪藻細胞数などの粒状物質が増加した。また(3)増加した珪藻の多くは底生性種の死細胞であること,(4)数は少ないものの時化とともに汽水性底生性珪藻の生細胞が出現したこと,が明らかになった。これらの事実は,時化によって湖底あるいはその近傍から粒状有機物が再懸濁し,垂下養殖されているホタテガイにも利用可能な浅い深度まで輸送されたことを明瞭に示している。(著者抄録)

シソーラス用語： 堆積物 ,  *鉛直輸送 ,  *湖沼 ,  珪藻類 ,  *飼料 ,  有機物 ,  ホタテガイ ,  海況 ,  荒天 ,  乱流 ,  底生生物 ,  水生植物
準シソーラス用語： *サロマ湖 ,  餌料 ,  再懸濁 ,  *時化 ,  底生植物 ,  粒状有機物

分類 (3件)： 海洋の構造・力学・循環  (DC06030G) ,  地球化学一般  (DD01010E) ,  生態系  (EE01040P)

引用文献 (21件)：

• 1) 北海道統計協会(2009):第30回平成21年 北海道市町村勢要覧,北海道統計協会,札幌,441pp.
• 2) Ryther, J. H. (1969) : Photosynthesis and fish production in the sea. The production of organic matter and its conversion to higher forms of life vary throughout the world ocean. Science, 166, 72-76.
• 3) Charpy-Roubaud, C. and A. Sournia (1990) : The comparative estimation of phytoplanktonic, microphytobenthic and micro-phytobenthic primary production in the oceans. Marine Microbial Food Web, 4, 31-57.
• 4) Shaffer, G. P. and M. J. Sullivan (1988) : Water column produc-tivity attributable to displaced benthic diatoms in well-mixed shallow estuaries. Journal of Phycology, 24, 132-140.
• 5) Wainright, S. C. (1987) : Stimulation of heterotrophic mi-croplankton production by resuspended marine sediments. Science, 238, 1710-1712.

タイトルに関連する用語 (8件)： サロマ湖 ,  環境 ,  ホタテガイ ,  養殖 ,  堆積物 ,  表層 ,  有機物 ,  輸送