抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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北海道渡島半島の全道一のサヤエンドウ産地である上ノ国町で毎年ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)による着花不良による減収ならびに莢の萼への幼虫食入による収穫物被害が多発している。簡便に成虫の発生消長を把握する方法として黄色粘着板を用いた成虫の捕獲消長調査を行い,吸汁・産卵痕調査結果と比較することでその有効性を検討した。その結果,1)黄色粘着板での捕獲消長は,吸汁・産卵痕調査による発生消長とほぼ同じ推移を示し,黄色粘着板は吸汁・産卵痕調査よりも簡便に本種の発生消長を把握しうる方法である,2)吸汁・産卵痕が5月後半にやや増加した現象を黄色粘着板では把握できず,低温期にはサヤエンドウの茎葉は伸長が遅いため展開葉に吸汁・産卵痕が集中し,成虫の飛翔行動は活発ではなく,黄色粘着板では成虫が捕獲されにくくなることが原因である,3)平均気温が20°Cを超えると被害痕数が減少し,黄色粘着板での捕獲数は平均気温が20°Cを超えた8月初めから減少し,この減少傾向は再び20°C付近にまで低下した9月初めまで続く,4)成虫出現日も,発生密度が増加した6月下旬,7月下旬及び9月中旬はほぼ適合したが,8月は発生密度が大きく減少し,成虫捕獲数の増加がみられず成虫出現日とは適合しない,ことが分かった。