抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
半導体レーザの自己結合効果は,レーザの活性層中で生じる干渉・増幅現象であり,高い波長選択性があるため照射光と同じ波長をもつ戻り光との間だけで生じる,自己結合効果による照射光量の増幅・減衰は微弱な戻り光でも生じるために他の光学式のセンサと比較して高感度なセンシングが可能になる。しかし,様々なノイズを含むことが知られており,それにより測定対象物がなくても内在するノイズを信号として出力するため,「信号有効性」を評価する方法が実用化には不可欠である。本研究では,信号計数捕正法と親和性の高い信号有効性判定法を提案する。提案する信号有効性判定法は,信号計数補正法の信号処理過程で得られる2値化干渉信号(MHP)のエッジ間距離の度数分布と幾何分布との相関を求めることによって信号有効性を判定するものである。すなわち,MHPの数はレーザデバイスと対象物との距離に比例し,その周期は距離に反比例する。これをヒステリシス幅をもつ2つのしきい値を用いて2値化したものは,距離に対応した周期を中心に正規分布を形成し,2値化されたMHPの半周期に相当するエッジ間距離も正規分布を形成する。これにノイズが重畳すると,2値化処理の際に信号の歯抜けや分割が生じる。歯抜けが生じた信号は本来の信号周期の整数倍,エッジ問距離の場合は奇数倍の値を中心に正規分布を形成する。そこで,2値化MHPのエッジ間距離(ランレングス)の対数度数分布を用いることによって,信号計数補正法における信号の有効性を判定できる。また,対数度数分布と最小自乗法で求めた近似直線との決定係数を求めると,これがノイズ成分の割合の大小を表しているので,決定係数を用いて有効性を定量的に表現することができる。決定係数を用いると,ノイズが少ない場合,決定係数は0.06のような小さい値になり,ノイズが多く重畳すると,決定係数は0.7~0.8と大きくなり,ノイズだけの場合は0.9以上になってノイズと判定される。