抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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アルツハイマー病はきわめて大きな個人的,また社会的悲劇を引き起こしている。1960年以来,世界中の研究機関や病院で行われてきた研究により,じわじわと進行して最後には致命的となるこの疾患の多くの特徴が解明され,こうした進歩によって,この疾患に影響を与える可能性のある薬剤の初期の臨床試験が実施されるに至った。しかし,このような薬剤の一部は,すでに失敗であることが明らかになっている。この疾患についてずっと続いている議論と,我々の知識に存在する重大な空隙は,この領域の研究が実際上進展できるのかどうか,さらに疑わしくさせるように見える。本総説では,不安を招くこうした懸念のいくつかについて論じ,失敗に終わった主な臨床試験について,それらが将来の成り行きを予言するものではないと考えられることを説明する。発症機序に基づいて設計された治療薬の前臨床試験の厳密な検証の後に,主要な認知症状およびそれに関連のあるバイオマーカーに注目して非常に注意深く設計された臨床試験を,軽度または症状が生じる前の段階のアルツハイマー病患者で実施すれば,おそらくそう遠くない時期に成功につながるだろう。Copyright Nature Publishing Group 2011