抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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都内17地点(一般環境9地点,道路沿道8地点)で測定されたPM2.5と浮遊粒子状物質の濃度とその成分から,化学質量収支(CMB: Chemical Mass Balance)法を使用して発生源寄与率を推定した。分析した成分は炭素成分(元素状炭素と有機炭素),金属成分31項目,イオン成分8項目であった。発生源プロファイルでは,主要発生源として道路粉塵,海塩粒子,鉄鋼工業,石油燃焼,廃棄物焼却,自動車排出ガス,ブレーキ粉塵の7つを仮定し,成分として元素状炭素と12種類の金属元素を選定した。米国EPAが開発したソフトウェアCMB8を利用して解析した結果,以下の結論を得た。PM2.5に対する7つの発生源の寄与は,一般環境で25%,道路沿道で30%程度であった。そのうち自動車排出ガスの寄与は一般環境で12%,道路沿道で19%程度であった。PM2.5に対する二次生成イオン(アンモニウム,硝酸,硫酸,塩化物の各イオン)の寄与は一般環境で46%,道路沿道で42%程度であった。PM2.5濃度は浮遊粒子状物質濃度の70%程度であり,道路粉塵,海塩粒子,ブレーキ粉塵,鉄鋼工業が浮遊粒子状物質で相対的に多かった。以上の結果から,PM2.5の成分は二次生成粒子や有機炭素が大きな割合を占めることが示唆された。