抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ダイヤモンド状カーボン(DLC)は優れた種々の特性から,様々な分野で利用されてきているが,その多くは,対象が金属である加工用工具への被覆である。このような工具は非金属材料へも利用されており,それらの材料に対する摩擦特性はほとんど知られていないのが現状である。本研究においては,木,布,紙を被加工材料とし,それらに対するDLC膜の摩擦特性を調べた。鉄鋼(SCr445)製リングにプラズマCVDによりDLC膜を被覆し,これを用いたリングオンディスク型摩擦試験機で,木(ベイマツ,ヒノキ,スギおよび合板),布(フェルト)および紙(ボール紙)に対する摩擦特性評価を実施した。摩擦係数および試験中の温度を測定した。これらの実験から,DLC皮膜は供したサンプルに対して摩擦係数を低下させる効果を有することを見出した。また,木材を対象とした場合,湿潤材では摩擦係数が高くなることも明らかとなり,水潤滑は効果的ではないことがわかった。