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J-GLOBAL ID:201102264393178695   整理番号:11A0101668

温室効果ガス削減は海氷の減少を抑制してホッキョクグマの存続の可能性を高めると考えられる

Greenhouse gas mitigation can reduce sea-ice loss and increase polar bear persistence
著者 (7件):
資料名:
巻: 468  号: 7326  ページ: 955-958  発行年: 2010年12月16日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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2007年に米国地質調査所の研究チームは,ホッキョクグマ(Ursus maritimus)にとって重要な生息環境である海氷が減少するという予測に基づき,温室効果ガス排出が現状のまま続けば,今世紀半ばまでに世界のホッキョクグマ個体数の3分の2が消滅する可能性があると結論した。しかし,その予測では,温室効果ガス削減によって見込まれる効果が考慮されていなかった。重要な問題は,気温の上昇に比例して生息域海氷面積が減少するのかどうか,あるいは,気温が何らかの臨界閾値に達した場合に海氷面積が転換点を越えて不可逆的に崩壊していくのかどうかである。こうした転換点は,温室効果ガスをその後削減してもホッキョクグマの保全に効果が得られなくなる段階を意味すると考えられる。今回我々は,一般的な大気循環モデルを用い,温室効果ガスの増加が緩和された場合には,かなり多くの生息域海氷面積が維持されると予測されることを示す。また,ベイズ型ネットワークモデルの結果を用いて,温室効果ガス削減下では維持される生息域が増加し,現状のガス排出が続いた場合よりも多数のホッキョクグマがより広い生息域で今世紀を通じて存続される可能性が明らかになった。我々の一般的大気循環モデルの結果では,海氷の不可逆的な減少につながる閾値は明らかにならず,その代わり,全球平均地上気温と生息域の海氷面積との直線関係がみられ,海氷の転換点をもたらすとされるアルベドフィードバックよりも海氷の熱力学的動態のほうが強力であるという仮説が裏付けられる。今回の結果は,モデルおよび観測で認められた夏季の急速な海氷減少が,転換点にかかわる挙動ではなく,海氷層の薄化によって増大した不安定さの表れであることを示している。排出ガス削減で導かれるベイズ型ネットワークの結果は,ホッキョクグマの分布および生息数に関して過去に予測された減少が不可避なものではないことを示している。ホッキョクグマは北極圏海洋生態系の状態を示す「指標」であり,その海氷生息環境の傾向は将来の地球の変化の予兆となるため,温室効果ガス排出量を削減してホッキョクグマの生息状態を改善することは,北極圏全体およびそれ以外の地域での保全にも益があると考えられる。Copyright Nature Publishing Group 2010
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