抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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微生物細胞から分泌された有機分子は炭酸カルシウム(CaCO
3)を含む様々な鉱物の溶解および生成速度に影響する。CaCO
3鉱物の生成速度および多形に及ぼす多糖類の影響を調べるため,25°Cにおいて100 mlの溶液のバッチ法によるアルギン酸あるいはジェランガムを含む系で生成実験を行った。それぞれの溶液は5.0mMのCa
2+とMg
2+および20.0mMのHCO
3+イオン,ならびに0.00,0.01,0.05,0.1,0.2および0.5mM/mlのアルギン酸(Aシステム,A1-A5)あるいはジェランガム(Gシステム,G1-G5)を含んでいる。得られた結果は,アルギン酸とジェランガムはどちらも多糖類の濃度に比例してCaCO
3鉱物の生成を阻害することを示した。注目すべきことはアルギン酸の効果はジェランガムの効果より大きいことが見出されたことである。さらに多糖類を含まない溶液中ではMg
2+の影響によりアラゴナイトのみが生成した。しかしながら多形におけるアラゴナイトの割合は両方の多糖類で濃度が高くなる程低下し,カルサイトが増加した。この多形における傾向はアルギン酸の方がジェランガムより高かった。これらの生成速度および多形に及ぼす影響はカルサイトおよびアラゴナイトの表面に両多糖類が吸着することによると思われる。しかし,アルギン酸の高い電荷密度により生成速度の阻害効果がより強く,また,相対的により高いアラゴナイトへの多糖類の吸着親和性がアラゴナイトの成長を阻害し,その結果,主要な多形としてカルサイトが形成されるのであろう。Copyright 2011 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.