抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,わが国の公営地下鉄事業について配分非効率性,技術非効率性,規模の経済性を測定することを目的としている。公営地下鉄は地方公営企業として経営されており,必ずしも費用を最小化するように行動していないと思われる。わが国の地下鉄の費用関数を推定した研究もすでにいくつか行われている。しかし,それらの研究では,費用最小化を想定した通常の費用関数が推定され,規模の経済性や全要素生産性が計測されている。それに対して本論文では,先行研究が用いているような通常の費用関数ではなく,一般化費用関数を用いて分析をする。この方法は,事業者が直面している現実の生産要素価格において費用を最小化しておらず,シャドー価格において費用最小化しているとして,観察された価格とシャドー価格の乖離を推定する方法である。公営地下鉄9社の1996年から2008年までのパネルデータを用いて一般化費用関数の推定を行っている。一般化費用関数の推定により得られた主要な結果は次の3つである。1つめは,わが国の公営地下鉄はその他投入要素と比べて労働を過少に使用していることを示したことである。2つめは,配分非効率性は0.05%程度であり,技術非効率性は1.8程度であることを示したことである。3つめは,費用関数の近似点において規模の不経済が存在していることを確認したことである。(著者抄録)