抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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森林総合研究所十日町試験地は1917年3月に開設されて以来,治山治水や自然災害防止および地球科学研究の基礎資料として現在まで気象観測が継続されてきた。気温の日平均値は1990年5月以降は自動観測となったが,それ以前は職員による定時観測であった。気温の測定は,開設から1990年4月までの間に測定頻度,測定時刻は時代とともに大きく変化してきた。そこで,過去のデータの特性を認識しておくために,測定頻度による日平均気温の差異と年平均気温の長期変動傾向への影響を調査した。その結果,気温を1日6回以上の頻度で測定して日平均気温を算出すると,年平均気温,冬期平均気温はともに1時間値による値と差はなかった。一方,1日3回の観測地や日最高・日最低気温の年平均値を日平均値としたケースは,年平均気温は11年間の平均で,各々0.2°Cと0.5°C,冬期平均気温は同様,0.2°C,0.4°C高くなることがわかった。よって,1927~1941年の年平均気温値は-0.2°C,冬期平均値も-0.2°C,1942~1989年の年平均値は-0.5°C,冬期平均値は-0.4°Cの補正を必要とした。1918年~2007年の気温変化を1次式で近似すると,年平均気温は1.03°C/100年,冬期平均気温は1.52°C/100年の割合で上昇していることがわかった。そして,それぞれを補正した結果,気温の上昇傾向は1.06°C/100年,1.59°C/100年となった。今後気温データを見るときは,この様なデータの特性を認識しておく必要がある。