抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
乳幼児が玩具を口にする状況を模した抽出により,乳幼児用品および玩具から溶出する臭素化難燃剤等のLC/MSによる定量,およびその他の化学物質のLC/ToFMSによる定性を行った。定量分析の対象物質は,ビスフェノールA(BPA),トリブロモフェノール(TBP),テトラブロモビスフェノールA(TBBPA),ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)異性体である。BPAは水およびエタノールにそれぞれ18製品中11製品から3~430ng/item,6製品中6製品から1.3~92ng/item溶出した。TBPは水,アミラーゼ飽和水溶液,エタノールにそれぞれ18製品中13製品から13~220ng/item,10製品中3製品から0.5~200ng/item,6製品中2製品から0.1~0.2ng/item溶出した。TBBPAは同様にそれぞれ18製品中13製品から5.0~590ng/item,10製品中7製品から0.4~6.9ng/item,6製品中5製品から2.3~4.4ng/item溶出した。HBCDは水には1ng/item未満であったが,アミラーゼ飽和水溶液,エタノールにそれぞれ10製品中6製品から3.0~18ng/item,6製品中5製品から0.6~25ng/item溶出した。LC/ToFMSによる定性では,未知物質の分子関連イオン,フラグメントイオン,中性ロスの精密質量を著者らが開発した元素組成絞り込みアルゴリズムで演算し,得られた元素組成と一致する既存化学物質情報を参照・評価し,造核剤,光安定剤,潤滑剤および食品包装,プラスチックレンズ,液晶等の合成原料を同定した。これらの結果から,乳幼児玩具の多くから臭素化難燃剤など乳幼児玩具の製造に直接由来するとは考え難い様々な用途のプラスチック原料の溶出が認められた。(著者抄録)