文献

J-GLOBAL ID：201102272707223375   整理番号：11A0735537

東京多摩地域における春季のPM_2.5に与える長距離輸送の影響

Influences of long-range transport on PM_2.5 in springtime in Tama area, Tokyo

著者 (2件)： 宮嶋洋子 (明星大 大学院理工学研究科) ,  松田和秀 (明星大 大学院理工学研究科)
資料名： 大気環境学会誌  (Journal of Japan Society for Atmospheric Environment)
巻： 46  号： 2  ページ： 119-123  発行年： 2011年03月20日 
JST資料番号： S0850A  ISSN： 1341-4178  CODEN： TKGAFA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 関東地域のPM_2.5に与える長距離輸送の影響を調べることを目的として,東京の郊外に位置する多摩地域において,2010年2月20日から4月22日の間,PM_2.5およびその無機イオン成分濃度の観測を実施した。PM_2.5質量濃度の測定は,フィルター振動法(TEOM)により行い,除湿システムを取り付け,センサー部の温度を35°Cに設定した。さらに24時間毎にPM_2.5をフィルターに捕集し,無機イオン成分濃度の測定を行った。観測期間中,PM_2.5の平均値は13μg m^-3,日平均値の最大値は32μg m^-3であった。測定した無機イオン濃度の総和がPM_2.5濃度に占める割合は期間平均で49%であり,その中でSO₄^2-の占める割合が最も高かった。大規模黄砂の影響を受け3月20日にPM_2.5の顕著な増加が見られた。この時,Ca²⁺およびSO₄^2-が期間最大値を示し,黄砂粒子および硫酸アンモニウム粒子等の長距離輸送に起因する増加と考えられた。全期間の後方流跡線解析から,大陸の汚染物質排出量が多い地域に起点を持つ気流時には,それ以外の気流時に比べPM_2.5,SO₄^2-,NH₄⁺が有意に高く,その原因は東京のローカルな汚染よりも,大陸および西日本からの長距離輸送によるものである可能性が示唆された。本観測では,硝酸塩粒子の長距離輸送の影響は顕著には見られなかった。(著者抄録)

シソーラス用語： 東京都 ,  *春 ,  大気汚染物質 ,  浮遊粒子状物質 ,  *長距離輸送【大気】 ,  黄砂 ,  解析 ,  硫酸アンモニウム ,  気流 ,  *PM2.5
準シソーラス用語： 多摩地域 ,  後方流跡線解析

分類 (3件)： 気圏環境汚染  (SB03020M) ,  粒状物調査測定  (SB03060E) ,  対流圏・成層圏の地球化学  (DD01020P)

引用文献 (12件)：

• 秋元肇編. 対流圏大気の化学と地球環境. 2002, 171-182
• HAYAMI, H. Interannual Variability in PM_<2.5> Mass and Inorganic Ionic Components Measured in Komae, Tokyo. Earozoru Kenkyu. 2006, 21, 354-358
• HAYAMI, H. Relationships between Emission Reductions to Anthropogenic Burning Sources and Ambient Concentrations of Secondary Inorganic Aerosol in Greater Tokyo. J. Jpn. Soc. Atmos. Environ. 2007, 42, 234-252
• ITAHASHI, S. Analysis of transboundary air pollution occurred during Spring 2007 over East Asia using CMAQ. J. Jpn. Soc. Atmos. Environ. 2009, 44, 175-185
• ITANO, Y. Impact of Trans-boundary Air Pollution from East Asia on Summertime PM_<2.5> Mass Concentrations in Japan. J. Jpn. Soc. Atmos. Environ. 2010, 45, 66-72

タイトルに関連する用語 (4件)： 東京 ,  多摩地域 ,  春季 ,  長距離輸送