抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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従来のテキストマイニング技術を用いた市場分析では,1)テキスト情報の様式の多様性,2)テキストデータと時系列データの関連付けが課題となり,長期的な市場動向を対象としてこなかった。本論文では,解説内容の順番や段落構成がほぼ定式化されている日本銀行の金融経済月報のテキスト,及び月次の市場データを用いて数年に渡る比較的長期の市場動向を分析する手法(CPR法)を提案した。本手法では,i)各月のテキストデータへのKeyGraphの適用による共起関係の解析,ii)i)の共起グラフに出現した単語パターンに対する主成分分析,iii)ii)での30回の主成分スコアを時系列に並べたデータを説明変数,月次の市場データを被説明変数とする重回帰分析によって得られた回帰式に,最新のテキストデータを入力すると月末の市場価格を外挿予測できる。まず,サポートベクタ回帰と予測力を比較する実験を行い,外挿期間の平均2乗平方根誤差と変動予測の正答率を比べたところ,長期の市場動向の水準や方向性をより高精度に予測できることがわかった。また,運用テストを実施し,本手法では市場が大きく動くときに市場動向の予兆を抽出できることを示した。