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J-GLOBAL ID：201102275048517152   整理番号：11A0100043

雪崩撹乱で生じた強光環境に対するシラビソとカラマツ稚樹の光合成特性の応答

著者 (3件)： 三田村理子 (茨城大 理) ,  山村靖夫 (茨城大 理) ,  中野隆志 (山梨県環境科研)
資料名： 富士山研究  (Mount Fuji Research)
号： 2  ページ： 15-20  発行年： 2008年03月 
JST資料番号： L7967A  ISSN： 1881-7564  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 富士山亜高山帯森林限界付近で起きた雪崩跡地で撹乱を免れたシラビソと撹乱後に実生更新したカラマツの両稚樹について,撹乱後の強光環境下での光合成・蒸散速度と木部圧ポテンシャルの日変化,光合成・水利用特性を測定した。シラビソの純光合成速度,蒸散速度,気孔コンダクタンスはカラマツより低く,光飽和光合成速度と土壌から葉への通導コンダクタンスも同様であった。シラビソの純光合成速度の低さは主として光合成能力(飽和光合成速度)の低さに起因し,これはルビスコ蛋白質の量又は活性の低さを反映している。シラビソの光合成窒素利用効率の低さは,光合成系以外(構造組織)への窒素投資が優越した結果と思われる。通導効率の低いシラビソは適切な水分収支を維持するために気孔制御が強く,そのためにCO₂の取り込みも制限され,光合成速度を更に低下させる原因となるであろう。シラビソの光合成特性や水利用特性は強光環境での物質生産に最適ではなく,撹乱後の植生回復プロセスを方向づけると思われる。

シソーラス用語： 雪崩 ,  *光 ,  モミ属 ,  カラマツ ,  苗木 ,  *光合成 ,  速度 ,  気孔抵抗 ,  *回復 ,  リブロースビスリン酸カルボキシラーゼ ,  火山 ,  シラビソ ,  光合成速度 ,  *植生回復 ,  富士山 ,  幼木 ,  幼植物
準シソーラス用語： *強光 ,  稚樹 ,  蒸散速度

分類 (1件)： 植物生態学  (EE02000E)

引用文献 (39件)：

• Bazzaz FA (1979) The physiological ecology of plant succession. Ann Rev Ecol Syst 10: 351-371
• Canham CD (1989) Different responses to gaps among shade-tolerant tree species. Ecology 70(3): 548-550
• de Pury DGG, Farquhar GD (1997) Simple scaling of photosynthesis from leaves to canopies without the errors of big-leaf models. Plant Cell Environ 20(5): 537-557
• Evans JR (1989) Photosynthesis and nitrogen relationships in leaves of C3 plants. Oecologia 78(1): 9-19
• Farquhar GD, Caemmerer S, Berry JA (1980) A biochemical model of photosynthetic CO₂ assimilation in leaves of C₃ species. Planta 149(1): 78-90

タイトルに関連する用語 (9件)： 雪崩 ,  撹乱 ,  強光 ,  環境 ,  シラビソ ,  カラマツ ,  稚樹 ,  光合成 ,  応答