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J-GLOBAL ID:201102276315076558   整理番号:11A0413626

ヤツメウナギにおける胸腺の候補

A thymus candidate in lampreys
著者 (14件):
資料名:
巻: 470  号: 7332  ページ: 90-94  発行年: 2011年02月03日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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免疫学と進化生物学では,ヤツメウナギやヌタウナギといった無顎脊椎動物の免疫系の性質についての議論が19世紀から続いている。過去50年間に,これらの魚類は,抗体類似反応や,同種移植片に対する拒絶能を持っていることが示されてきたが,有顎脊椎動物のような免疫グロブリンに基づく適応免疫系はないことがわかっている。最近の研究で,ヤツメウナギはリンパ球を持っており,これらの細胞は免疫グロブリンの代わりに,可変性リンパ球受容体(variable lymphocyte receptor;VLR)と呼ばれる,ロイシンリッチリピートを含み体細胞的に多様化した抗原受容体を発現していることが示されている。発現するVLRのタイプはリンパ球の細胞系譜に特異的であり,T細胞様リンパ球はA型VLR遺伝子(VLRA)を発現し,B細胞様リンパ球はB型VLR遺伝子(VLRB)を発現する。クローン的に多様化している,あらかじめ用意されたこれらの抗原受容体は,遺伝子変換によって不完全なゲノム断片から組み立てられる。この遺伝子変換は,シトシンデアミナーゼをコードする2つの遺伝子のどちらか(T細胞様細胞ではシトシンデアミナーゼ1遺伝子[CDA1],B細胞様細胞ではCDA2)によって引き起こされると考えられている。無顎魚類でも有顎脊椎動物と同様に,リンパ球の発生・分化と選択が起こる場となる胸腺のような主要リンパ器官を特化させてきたのかどうかは,よくわかっていない。今回我々は,ヤツメウナギ幼生の鰓弁とそれに隣接する二次鰓弁(両方とも鰓籠内にある)の先端に散在する,胸腺様のリンパ上皮構造を同定し,thymoidと名付けた。有顎脊椎動物での胸腺形成微小環境のマーカーであるforkhead box N1(FOXN1)をコードする遺伝子のオルソログの発現はthymoidにおいてのみ見られ,これにはCDA1とVLRAの発現も伴っていた。この発現パターンは,ヤツメウナギを免疫したり,T細胞マイトジェンによって刺激したりしても影響されない。非機能的なVLRA遺伝子組み立ては,thymoidで高頻度に見られるものの,他の組織では見られないことから,thymoidはヤツメウナギでのT細胞様細胞の発生の場であると考えられる。...Copyright Nature Publishing Group 2011
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分類 (2件):
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動物形態学・解剖学一般  ,  リンパ系 
タイトルに関連する用語 (2件):
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