抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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東南アジアにおける熱帯林の減少は2000年以降かってない速度で進行し,現在,世界の最大熱帯林減少地域であったアマゾン盆地をしのぐ勢いで減少している。本報は東南アジア熱帯降雨林地域の森林利用と生物多様性保護の現状について概観した。REDD+のような国際的規模の熱帯林減少劣化の抑止策はやっと,制度が検討され始めた段階である。かりに国際制度として実施されたとしても,劣化が進行して炭素貯留が希薄化した熱帯林では,もはや森林減少を抑止する十分なREDD資金を受け取ることが出来ない危険性がある。熱帯林の生態系サービスを気候調節機能(炭素貯留)に限定しているかぎり,生物多様性保全・保護への十分な対価を現場が得られない状況はかわらない。今後は,REDD+に生物多様性の価値を組み込んだ拡大版,生態系サービスへの支払制度を構築し,熱帯林生態系サービスの受益者である世界の人々が保護に参加する必要がある。そのためには,世界は生物多様性が様々な生態系サービスを与えていることを改めて認識する必要がある。