抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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草地は家畜生産などに利用されてきたことにより管理,維持され,それに伴い草地に生息する生物種も保全されてきた。しかし,農村の過疎化及び高齢化が進み草地の管理が行き届かなくなったことで,草地性生物種の多様性が脅かされている。これは草地性チョウについても例外ではない。本稿では,草地性チョウ類の保全のため,チョウの生態情報及び都道府県におけるチョウのレッドリスト情報の分析を行い,チョウの保全状況と保全を要するチョウの評価を行った。保全すべきチョウの評価を行うため,日本産蝶類県別レッドリスト掲載の種とカテゴリー区分を基本とし,各種の分布,寄主範囲及び年発生回数の生態情報を収集,分析した。また種ごとの絶滅リスクを評価するため,当該種のカテゴリー区分と分布面積を重み付けとした絶滅リスク指数を算出し,用いた。結果,日本産蝶類のうち42.4%が草地性であった。また県レッドリスト種に挙げられたチョウは151種で,日本産種の65.4%がいずれかの都道府県で絶滅のおそれのある種として記載されていることが分かった。チョウの年平均発生回数からは,発生回数の少ない種は絶滅のおそれのある種になりやすいことも分かった。分析及びCOP10の評価書を通し,草地性を含むチョウの絶滅のリスクが高まっていることが明らかになった。