抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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香川県は水はけの良い土壌が多く,昔からコムギが重要な土地利用型作物として位置づけられているが,2000年頃から県内のムギ類栽培圃場において,ヨーロッパからアジア原産の多年生帰化植物であるオオスズメノカタビラ(Poa trivialis L.)の発生が局所的に目立つようになった。日本のムギ類に対する除草剤の多くが主として一年生雑草を対象としているので,ムギ類栽培圃場でのオオスズメノカタビラの防除法を確立する基礎となる,1)現地の多発生圃場におけるオオスズメノカタビラの生活環,2)ムギ類播種前の茎葉処理剤および播種後の土壌処理型除草剤の防除効果,3)ムギ類に登録されている主要な土壌処理型除草剤のポット試験による防除効果比較,を検討した結果,1)現地現地圃場の除草剤無処理区での観察によりオオスズメノカタピラの生活環とコムギの成長との関係,2)グリホサート液剤散布時の(約5葉の)オオスズメノカタピラはコムギ播種時には枯死し,その後グリホサート液剤+土壌処理剤散布区では,オオスズメノカタビラは12月下旬頃から出芽したが冬期の生育は緩慢である,3)2月末に調査したグリホサート液剤+土壌処理剤の体系処理区の生体重は,無処理区対比で1%未満に対し,トリフルラリン粒剤区は無処理区対比で22%であり,4~5月の調査でもグリホサート液剤+土壌処理剤散布区における除草効果は高い,4)体系処理の間では,トリフルラリン粒剤処理区よりも,ジフルフェニカン・トリフルラリン粉粒剤の効果が高い傾向にあり,オオスズメノカタビラ以外の草種でもその傾向は一層顕著である,5)トリフルラリン粒剤単用区では,オオスズメノカタピラの残存量はグリホサート液剤+土壌処理剤散布区より多かったが,無処理区より少なく,2~4月初旬の調査の傾向が概ね継続し,いずれの処理区でも残草個体は出穂に至り,コムギ収穫前に種子を落とす,6)無処理区では,ポットあたり平均400個体が出芽したが,いずれの除草剤処理区でも出芽は抑制され,その後の生育も遅れ,風乾重は著しく減少し,効果の序列はジフルフェニカン・トリフルラリン乳剤区>トリフルラリン乳剤区およびベンチオカーブ・ベンディメタリン・リニュロン細粒剤区>ペンデイメタリン乳剤区の順である,ことがわかった。