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J-GLOBAL ID：201102289584632542   整理番号：11A0295289

摩周湖水中ニッケル及びバナジウム濃度の深度プロファイルと大気経由人為起源ニッケル及びバナジウム供給の可能性

Concentration-depth Profiles of Trace Nickel and Vanadium in Lake Mashu and the Possible Input of Anthropogenically Derived Nickel and Vanadium from the Atmosphere

著者 (14件)： 南尚嗣 (北見工業大学マテリアル工学科) ,  坂上寛敏 (北見工業大学マテリアル工学科) ,  白俊玲 (北見工業大学マテリアル工学科) ,  万徳佳菜子 (北見工業大学マテリアル工学科) ,  原田大資 (北見工業大学マテリアル工学科) ,  高橋信夫 (北見工業大学マテリアル工学科) ,  厚谷郁夫 (北見工業大学マテリアル工学科) ,  深澤達矢 (北海道大学大学院工学研究院環境創生工学部門) ,  濱田浩美 (千葉大学教育学部理科教育教室) ,  五十嵐聖貴 (北海道立総合研究機構環境科学研究センター) ,  藤江晋 (てしかが自然史研究会) ,  小林拓 (山梨大学大学院医学工学総合研究部) ,  田中敦 (国立環境研究所化学環境研究領域) ,  神和夫 (北海道立衛生研究所健康科学部)
資料名： 分析化学
巻： 59  号： 12  ページ： 1105-1111 (J-STAGE)  発行年： 2010年 
JST資料番号： F0008A  ISSN： 0525-1931  CODEN： BNSKAK  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 摩周湖は,国連環境計画GEMS/Water(Global Environment Monitoring System/Water)プログラムのベースラインモニタリングステーションとして登録されている日本で唯一の湖である.本研究では,摩周湖水中ニッケル濃度の深度プロファイルを明らかにし,ニッケルの供給源に関する知見を得ることを目的に検討を行った.その結果,成層期の表層湖水中ニッケル濃度は温度躍層より深部の湖水中濃度に比べて高く,湖岸の降雨試料及びカルデラ壁上部の積雪試料中ニッケル濃度は,表層湖水中濃度より更に高いことを明らかにした.これらの傾向はバナジウム濃度にも見られた.雪試料中ニッケル濃度とバナジウム濃度の比は,石油燃焼ばい塵中の両元素濃度比の報告値と一致した.一方,温度躍層深度でニッケル濃度の高濃度異常が観察された.湖水中両元素濃度の深度分布挙動,雨及び雪試料中の両元素濃度と湖水中濃度との比較を通して,湖水中ニッケルの一部は化石燃料燃焼排気が起源と考えられる粒子状物質として,大気経由で摩周湖に供給されている可能性を示した.(著者抄録)

シソーラス用語： *ニッケル ,  *バナジウム ,  *淡水湖 ,  *貧栄養湖 ,  深さプロフィル ,  濃度分布 ,  積雪 ,  降雨 ,  表面水 ,  化石燃料 ,  排ガス ,  大気汚染物質 ,  粒子 ,  MIP分析 ,  *質量分析 ,  定量分析 ,  測定データ ,  *湖沼汚濁 ,  *汚染源
準シソーラス用語： 表層水 ,  *摩周湖 ,  粒子状物質

分類 (2件)： 天然水の物理分析  (CC03070C) ,  湖沼汚濁  (SB02030Q)

引用文献 (27件)：

• 1) 大槻 晃 : 国立公害研究所研究報告,36, 17 (1982).
• 2) 大槻 晃,河合崇欣,古田直紀,白石寛明,野尻幸宏,安部喜也,向井人史,横内陽子,森田昌敏,植弘崇嗣,相馬光之,相馬悠子,瀬山春彦,堀内清司,厚谷郁夫 : 国立公害研究所研究報告,58, 45 (1984).
• 3) United Nations GEMS/Water Programme, <http://www.gemswater.org/>.
• 4) 白石寛明,河合崇欣,大槻 晃 : 国立公害研究所研究報告,36, 43 (1982).
• 5) 田中 敦 : "GEMS/Water 摩周湖モニタリングデータブック",国立環境研究所地球環境研究センター・北見工業大学・北海道環境科学研究センター編,p. 27 (2004).

タイトルに関連する用語 (8件)： 摩周湖 ,  水中 ,  ニッケル ,  バナジウム ,  深度プロファイル ,  大気 ,  人為起源 ,  可能性