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J-GLOBAL ID：201102293863296746   整理番号：11A0986475

消臭剤が室内ガス状汚染物質濃度に与える影響に関する研究,雰囲気対応型消臭剤における試験評価法の提案と消臭液の化学物質除去性能

著者 (3件)： 吉川彩 (東北文化学園大 大学院) ,  野崎淳夫 (東北文化学園大 大学院) ,  成田泰章 (暮らしの科学研究所)
資料名： 室内環境  (Indoor Environment)
巻： 14  号： 1  ページ： 3-13  発行年： 2011年06月01日 
JST資料番号： L4020B  ISSN： 1882-0395  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 本研究では消臭剤の噴霧量,環境条件,噴霧方法について検討し,より実用的な試験評価法を提案した。また,新たな試験法を用いて,噴霧器を統一し,消臭液におけるホルムアルデヒドとVOCの除去性能を試験的に把握した。試験においては,ガス状汚染物質(ホルムアルデヒドとVOC)の初期濃度,環境条件をある一定のレベルに統一した。なお,消臭剤の噴霧は,製品記載の方法で行った。本試験では一般量販店で購入した6種類の消臭液(ホルムアルデヒド除去試験は2種類のみ)と,その性能を評価するためにコントロールとして精製水を用いた。消臭液のホルムアルデヒド除去性能(相当換気量Q_eq[m³/h])を求めた結果,35種類の植物抽出エキスを主成分とする消臭液1),フィトンチッドを主成分とする消臭液2)のホルムアルデヒド相当換気量は,それぞれ0.10,0.06m³/hであり,精製水の相当換気量(0.28m³/h)よりも小さい値であった。この値は最新の空気清浄機におけるホルムアルデヒド相当換気量(Q_eq=99.6m³/h)と比較しても,非常に小さい値となった。本研究で対象とした消臭剤は液体であるため,親水性物質であるホルムアルデヒドの除去効果が期待されたが,精製水のみを噴霧した場合でも,大きな室内ガス状汚染物質濃度の低減効果は認められなかった。また,消臭液のVOC相当換気量(TVOC換算値)は0.40~1.11m³/hの範囲にあった。特に消臭液4)のVOC相当換気量(TVOC換算値)が最も大きく,精製水の相当換気量(Q_eq=0.16m³/h)の約6.9倍であった。更に,VOC物質毎の除去性能を求めた結果,各消臭液は,17物質のうち6~11物質に対して除去効果が認められた。最も多くの物質を除去していたのは,ヒノキとユーカリの精油を主成分とする消臭液5)であり,その相当換気量の平均は0.91m³/hと比較的小さいが,有効成分含有率を上げることにより増大することが期待される。各消臭液の物質別相当換気量は,平均で0.44~3.85m³/hの範囲にあり,最も大きな相当換気量を示したのは酵素を主成分とする消臭液3)であった。しかしながら,相当換気量はガス状汚染物質の初期濃度,消臭剤の噴霧量や他の測定条件によって値は異なるため,これらの更なる検討が求められる。(著者抄録)

シソーラス用語： *脱臭剤 ,  室内空気汚染 ,  化学物質 ,  性能 ,  *評価試験 ,  大気汚染物質 ,  噴霧 ,  揮発性有機化合物 ,  フィトンチッド ,  抽出液 ,  酵素 ,  蒸留水 ,  ヒノキ ,  ユーカリ ,  精油 ,  水 ,  *換気量 ,  空気浄化 ,  能力 ,  臭気 ,  脂肪族塩素化合物 ,  脂肪族ケトン ,  トリハロメタン ,  オレフィン化合物 ,  アルキルベンゼン ,  脂肪族アルデヒド ,  脂肪酸 ,  カルボン酸エステル ,  アルカン ,  芳香族炭化水素 ,  室内空気汚染物質 ,  浄化能力 ,  精製水 ,  植物抽出物 ,  環境汚染 ,  汚染物質
準シソーラス用語： *除去性能 ,  植物エキス ,  相当換気量

分類 (3件)： 気圏環境汚染  (SB03020M) ,  悪臭  (SB04010I) ,  空気浄化  (PC02060X)

物質索引 (15件)： 1,1,1-トリクロロエタン ,  1,2-ジクロロエタン ,  1,2-ジクロロプロパン ,  2,4-ジメチルペンタン ,  アセトン ,  クロロホルム ,  ジクロロメタン ,  トリクロロエチレン ,  トルエン ,  ホルムアルデヒド ,  四塩化炭素 ,  酢酸エチル ,  ヘキサン ,  ヘプタン ,  ベンゼン

引用文献 (12件)：

• 1)野崎淳夫,吉川彩:消臭剤による室内ガス状汚染物質濃度の低減性に関する研究(その1),雰囲気対応型消臭剤における試験評価法の提案とその臭気物質除去性能,臨床環境医学,19,1,46-53(2010).
• 2) Natural Resources Defense Council: Complaint declaratory and injunctive relief(2008).
• 3) Anne C. S.: Fragranced consumer products and un-disclosed ingredients, air fresheners environmental impact assessment review, EIR-05560(2008).
• 4) William W. N.: Cleaning agents, ozone and toxic air contaminants. No. 01-336(2006).
• 5)国民生活センター:スプレータイプの消臭剤の商品テスト結果(2001).

タイトルに関連する用語 (11件)： 消臭剤 ,  室内 ,  ガス状汚染物質 ,  研究 ,  雰囲気 ,  試験 ,  評価法 ,  提案 ,  消臭 ,  化学物質 ,  除去性能