抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本報では,ブロイラーの産肉能力を把握し,本県生産者の飼養管理技術改善及び経営安定化に結びつけるため,当所で1977年から実施している「ブロイラー産肉能力に関する試験」について,過去30数年間の調査結果を取りまとめ,試験開始時から常時供試してきた主要銘柄の改良状況を考察した。8週齢体重は,1977から2009年で約1.8倍増加した。また,8週齢飼料要求率は,同期間で最大約0.5減少した。発育体重は1990年頃までに大きく増加し,次いで飼料要求率は1990年代で大きく減少した。一方,7週齢体重は,1983から2009年で約1.4倍増加した。また,7週齢飼料要求率は,同期間で最大約0.5低下した。腹腔内脂肪率は,8週齢と7週齢ともに減少傾向で推移した。また,8週齢及び7週齢の心臓歩留並びに8週齢の筋胃歩留は,減少傾向で推移した。さらに,肝臓歩留は,心臓及び筋胃歩留と比較して年別のバラツキが大きく,微増傾向で推移した。8週齢胸肉歩留は,増加傾向で推移し,ほぼ横這いで推移した腿肉歩留と比較して,近年で同等となった。さらに,8週齢正肉歩留も,胸肉歩留の増加に伴い,増加傾向で推移した。飼料要求率,腹腔内脂肪率は,発育体重との間に負の相関が認められた。また,正肉歩留,胸肉歩留,胸肉及び腿肉の重量は,発育体重との間に正の相関が認められた。しかし,心臓,筋胃,肝臓及び腿肉の歩留は,発育体重との間の相関が低かった。7週齢は,8週齢と比較して,発育体重が軽く,正肉歩留が概ね低い傾向にあった。また,飼料要求率が低く,腹腔内脂肪率が概ね低い傾向にあった。さらに,筋胃歩留が概ね高い傾向にあった。一方で,胸肉と腿肉の産出割合が同等であった。発育体重は,約10年周期で急増と微増減を繰り返す傾向があり,2008から2009年の増加幅が極めて高かったことから,今まさに急増していると考えられた。一方,得られた直線回帰式により,10年後の7週齢体重や出荷週齢が推定できた。(著者抄録)