抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高等植物と同様に,細胞内にオイル成分であるトリアシルグリセロールを高度に蓄積する微細藻類は,原料需要に依存しない次世代エネルギー資源として期待される。藻類の生育には膨大な水資源が必要であり,我が国では周囲を取り囲む海洋利用がこのエネルギー開発の重要なカギとなる。この論文では,海洋の有効利用を目指した液体燃料としての微細藻類の可能性と今後の展望を述べた。主なテーマとして,海洋微細藻類による有用物質の生産,Omics解析によるバイオディーゼル燃料生産性向上への取り組み,およびバイオディーゼル燃料に適した脂肪酸生産について論じた。海水利用は,水資源の確保の容易さ,と塩濃度による環境中の微生物の生育を抑制できる点でも有効である。また,減菌工程を経ずに大量生産が可能である利点も大きい。一方,作出した遺伝子組み換え体を利用する場合,その封じ込めを行うためのリアクタ設計が必要であり,また藻類を回収した後の培養排液の処理法が課題として残る。