抄録/ポイント:
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Alzheimer病は高齢者における最も荒廃的神経変性疾患であるが,今なお治療選択肢は大幅に限定されている。βアミロイド生成部位での介在によるAlzheimer病の病態を改善する薬剤開発努力は,概して効果が無いか,あるいは決定的ではない。最大の挑戦は,臨床症状を確かに予知する下流機構を同定し明らかにすることである。βアミロイド蓄積は,海馬及び皮質における神経細胞体樹状突起及び軸索に位置する細胞膜L型カルシウムチャンネルにより細胞内カルシウムの調節異常をもたらす。逆説的に,L型カルシウムチャンネル亜型Ca
v1.2はまたシナプス可塑性及び空間記憶を促進する。細胞内カルシウムの増加はアミロイド前駆体蛋白質プロセシングを調節し,高リン酸化タウの増加及びオートファジーの抑制を含む複数の下流経路に影響を及ぼす。イスラジピンは,海馬においてCa
v1.2と選択的に結合する米食品医薬品局に認可されたジヒドロピリジン系カルシウムチャネル遮断薬である。著者等の研究は,イスラジピンがin vitroで細胞質へのカルシウム流入を抑制することにより,またCa
v1.2発現を抑制することによりβアミロイドオリゴマの毒性を減衰することを示している。著者等は以前に,Alzheimer病に対する三重トランスジェニック動物モデルへのイスラジピン投与が良好に許容されることを示した。著者等の結果はさらに,イスラジピンが脳において生体利用可能になり,タウ負荷を下げ,オートファジー機能を改善することを示唆した。カルシウムチャンネル遮断薬の脳薬物動態の一層の理解は,Alzheimer病に対する将来の臨床試験での適切な薬物用量による新たな実験の設計に対して重大であると思われる。本レビューにおいて,Alzheimer病におけるCa
v1.2チャンネルの過剰発現,高リン酸化タウの蓄積及びオートファジーの蓄積の重要性,及びイスラジピンによるこの経路の調節に焦点を当てた。Copyright 2011 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.