抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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約800km以下の宇宙船軌道は表面材料を激しく劣化させる高密度の原子酸素(AO)に曝される。特に憂慮すべきは太陽アレイ表面上の反射防止(AR)コーティングであり,これは環境から太陽パネルを保護するだけでなく,太陽電池に入射する光の透過を増加させる。このARコーティングの劣化は太陽パネルの性能に大きく影響し,有益な使命を達成するために必要な電力が十分でなくなることがある。一般的な宇宙用太陽電池のカバーは,90nmのMgF<sub>2</sub> ARコーティングによってコートされたセリア(CeO<sub>2</sub>)ドープホウケイ酸ガラス(CMG)基板からできている。以前の研究から,市販MgF<sub>2</sub>反射防止コーティングの透過率はAOフラックスに曝すと非常に劣化することが分かっている。この観点から,堆積条件が制御できるインハウスにおいて,MgF<sub>2</sub>膜を堆積した。電子ビーム蒸着によって,セリアマイクロシート基板上にMgF<sub>2</sub>膜を堆積した。システムのベース圧力は,液体窒素(LN2)トラップを用いない場合,2.3×10<sup>-6</sup>トールであり,LN2トラップを用いた場合,<5×10<sup>-7</sup>トールであった。水晶結晶微量天秤によって膜の厚みをモニタし,温度制御ヒータブロック上に基板をマウントした。原料物質は市販のMgF<sub>2</sub>顆粒である。分光偏光解析,X線回折,そして,Auger分光法によって,堆積膜及びそのAO暴露したものを解析した。堆積膜の酸素濃度を制御することによって,膜の光学特性を大幅に変化させないで,透過率劣化を一桁減少できることを示した。