抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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SmithとFretwellの古典的モデルは,さまざまな環境条件で変化する子孫の体サイズと適応度の関係性に応じて,最適な卵サイズが変異することを予測している。アユ(Plecoglossus altivelis)を用いて,個体群内の卵サイズ変異の適応意義について調べた。本種は1年間の回遊性の生活史を有する。調節した飼育条件下の魚では,季節の遅い時期に小型の雌ほど大型の卵を生産する傾向で性成熟を開始した。観察された卵サイズ変異は,雌親の体サイズと生育期間からなる比成長速度によって説明された。より大型の卵から孵化した仔魚ほど,大きな脊索長と卵黄嚢を有し,早く成長した。このような子孫の形質は,初期生残を確実なものとするための競争力を与え,大型仔魚に有利に働く。結論として,アユにおける卵サイズの可塑性は,餌料獲得能力の付与を通して,子孫の適応度の向上に寄与していることが示唆される。(翻訳著者抄録)