抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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共晶マトリックス中に硬質の初晶Siを含む過共晶Al-Si合金は軽量耐摩耗性材料の有力候補である。したがって,この合金は自動車用シリンダライナのような耐摩耗性部品としての適用が期待されている。しかしながら,粗大初晶シリコン粒が延性と機械加工性を阻害するため,厳しい摩擦摩耗条件下で使用される部品への適用が制限されている。この合金が耐摩耗性部品に広く使用されるためには,初晶シリコンの微細化と増量が必要である。超音波振動を溶湯に付加しながら凝固させるソノ凝固は,過共晶Al-Si合金に非平衡α-Al相を晶出させるだけでなく,粗大初晶Siの形態を改善する。ソノ凝固させたAl-Si合金ビレットを用いて半溶融遠心鋳造を行い,微細粒状化した初晶シリコンを内周側に偏在化させた。本研究によって,ソノ凝固はAl-18%Si合金の初晶シリコン晶出量を平衡状態の2.5倍に増加させるだけではなく,その微細粒状化と非平衡α-Al相の晶出を実現することが明らかになった。ソノ凝固ビレットが半溶融温度まで加熱されるとα-Al相は消失するが,微細初晶シリコンは粗大化しない。半溶融遠心鋳造の短い凝固時間にもかかわらず,円筒状鋳物における内周側に微細初晶シリコンを偏在化させ得る。(著者抄録)