抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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放射線による化学反応を利用する化学線量計は,化学的なトレーサビリティがあり,高い信頼性を有しているが,感度が悪く,10~10kGyの吸収線量を対象とし,自然放射線や個人被曝線量などを測定するには,数桁も感度が足りない。これまでの研究で,
60Coγ線源を簡易で強力なヒドロキシルラジカルの発生源として使用してきた。また,ベンゼンをプローブとしたヒドロキシルラジカルの高感度定量を得意としている。一方で,γ線の水への入射でヒドロキシルラジカルが生成する。この2点からベンゼンをプローブとしたヒドロキシルラジカルの定量法が放射線強度の測定に応用できると考えた。2mモル/Lのベンゼン溶液をガラスバイアルに入れて放射線を照射し,その溶液中のフェノールを蛍光検出ー逆相高速液体クロマトグラフィで定量する。吸収線量とフェノール濃度は,0.1~100Gyの範囲で良い直線性を示し,検出限界は1桁のmGyオーダーである。空間線量が高いところでは,1カ月程度の積算空間線量の測定に使用できる可能性がある。