抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,学内でのディベートの準備をSNS上でおこない,そこでのコミュニケーションの量的構造および種類とその成果について考察をおこなった。SNS上ではやりとりされる文字が全て記録されること,ディベートでは対戦において各班は審判団により勝敗がくだされ,成果が計測できること,以上がそれぞれの利点である。本稿では,SNSを利用することにより得られる多様な統計指標にもとづいて,ケーススタディとしての分析をおこなう。というのも,理論的なモデル分析も多くなされているが,現実への接点をなかなか見つけにくいという状況があるからである。そのために,SNSという手法から新たに得られるデータより,帰納的に考察を進めていく。本稿では,はじめに,ディベート準備におけるグループ内の中心性(ボナチッチ中心性)を各主体の伝達した文字量から求めた。つづいて,伝達された文字量に注目し,(1)より多くの情報,(2)より平等な活動,(3)より選択的な相手への情報発信がディベートの成果に対して,より望ましい効果をもたらすことを示した。また,(4)直接ディベートとは直接関係の無い内容の伝達も望ましい効果をもたらした。他方で,(5)「Copy&Paste」による文字伝達はそれほど効果がない。以上の結果は,グループ内での活動を活性化させるために重要な,具体的要因を示している。(著者抄録)