抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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土壌の特性は金属の移動性や生物へのバイオアベイラビリティに影響を及ぼすが,それらは金属の移動のリスク評価でたびたび無視されてしまっている。本報文は化学的手法のカドミウム(Cd),鉛(Pb)及び亜鉛(Zn)の陸上巻貝Cantareus aspersusに対する環境バイオアベイラビリティの評価能を調べることを目的とした。実験室において28日間カタツムリをかつての製錬所周辺から採取した17の土壌に曝露した。土壌はpH,有機物質,粘土含有量及びCd,Pb及びZn濃度の範囲を基準に選択した。環境アベイラビリティ(HF-HClO
4,EDTA,CaCl
2,NH
4NO
3,NaNO
3,遊離イオン活性及び土壌溶液中の総溶存金属濃度を用いて推定)及び環境バイオアベイラビリティ(蓄積動力学を用いてモデル化)に及ぼす土壌特性の影響を特定した。7つの化学的手法のうちEDTAと総土壌濃度だけがカタツムリに対するCd及びPbの環境バイオアベイラビリティの評価に用いることができた(それぞれr
2adj =0.67及び0.77)。Znについてはいずれの化学的手法も適していなかった。土壌特性(pH及びCEC(イオン交換容量))を勘案することでCdとPbの環境バイオアベイラビリティをより良く予測することができた(それぞれr
2adj =0.82及び0.83)。試験した化学的手法単独ではZnのカタツムリ対する環境バイオアベイラビリティを評価することはできなかったが,pH,鉄酸化物及びアルミニウム酸化物を加えることで摂取フラックスの変動を予測することができた。リスク評価に土壌特性を用いるための概念的手法及び実用的手法をこれら結果に基づいて提案した。そして,カタツムリに対する金属の環境アベイラビリティを予測する普遍的な化学的手法はまだない,最も大きな影響を有する土壌の因子は対象となる金属に依る,と結論した。Copyright 2012 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.